『魔法使いの嫁』は作者ヤマザキコレさんによるファンタジー漫画です。
2014年1月号から9月号まで「月刊コミックブレイド」で、2014年10月号以降は
「月刊コミックガーデン」で「第1篇―第45篇」「学院(カレッジ)篇」の順で連載されています。
2017年にはWIT STUDIOによって TVアニメ化、2019年には高羽彩さんによって舞台化もされました。
『夜の愛し仔(スレイ・ベガ)』という特殊体質を持った少女、チセが英国のオークションでヒトならざる魔法使いのエリアスに買われ、
エリアスの弟子兼「お嫁さん」になったことをきっかけに、様々な事件や出会いを通して自らの過去に向き合い、成長していく物語です。
『魔法使いの嫁』のキーワード
魅力を語るにあたって、知っているとより本作を楽しめる鍵となるワードを解説します!今回はそこまで深く掘り下げず、2つのキーワードを紹介します。
1.『魔法使い』
妖精や精霊など、ヒトならざる者や周囲の魔力を借りて世界の理に干渉する存在です。普通の人間に比べて遥かに長寿で体も丈夫です。
2.『夜の愛し仔(スレイ・ベガ)』
魔力の吸収と生産に極めて長けた特殊体質で、体に秘めた魔力で魔やあやかしを惹きつけ、魅了するため妖精たちからは『愛し仔(ロビン)』とも呼ばれています。
しかし彼らは意識しなくても魔力の吸収と生産を繰り返すため、いずれ肉体が負荷に耐えられなくなり、若くして死に至るケースがほとんどです。
魔力の貯蔵庫として命を狙われることも多く、最悪の場合は実験体として魔力が尽きるまでこき使われることもあります。
【ネタバレ有り】『魔法使いの嫁』の魅力は?
物語が進むごとに成長していくチセ
チセは『夜の愛し仔』の体質のせいで周囲に気味悪がられた挙句、父に捨てられ、母に目の前で自殺された辛い過去を持っています。
そのため当初のチセは悲観的な性格で、「エリアスの役に立てなければ捨てられるかも」と悩むことも多いです。
しかし。自身と同じように不幸な境遇にある人たちを助け、理解者に支えられて過ごす内に前向きな性格に変わっていきます。
魔法使いとしても、一人の人間としても成長を遂げるチセの姿から目が離せなくなります!
チセとエリアスの恋愛模様が微笑ましい
エリアスはチセのことを弟子だけでなく、自らの「お嫁さん」としても買っているので、物語の所々でふたりの恋愛模様が描かれています。
例えば「子供はまだ?」と聞かれた時に、チセが顔を赤らめたのを見たエリアスが「内臓がぎゅっとする」と自分の胸を押さえるシーン。
チセとエリアスが離れている間に『水鏡』という特殊な伝達手段が偶然つながり、ふたりが『水鏡』越しに手を合わせるシーンなど、読んでいるだけできゅんきゅんする事間違いなし!
エリアスがあまり「夫婦」という関係を理解していないこともあって、「恋愛ものが苦手」という方でもピュアで穏やかなふたりの関係を楽しむことができます。
敵キャラも魅力的!
「第1篇―第45篇」ではカルタフィルス(ヨセフ)という敵キャラが登場します。
カルタフィルスはとある魔術師にかけられた「不死の呪い」の影響で肉体が絶えず崩壊し続けており、上質な肉体を手に入れるためには人を殺すことも厭わない残酷な性格です。
しかし彼も悲しい過去を背負っており、完全なる「悪者」ではないことが後半に明かされます。読むごとに敵キャラにも感情移入できる点は魅力的ですよね。
「学院編」ではまだ明確な敵キャラは明かされていませんが、これからの展開が楽しみです!
いかがでしたでしょうか?少しでも漫画『魔法使いの嫁』の魅力が伝われば幸いです。
最後まで読んでくださってありがとうございました!
- 作者:ヤマザキコレ
- 出版社:マッグガーデン
- 既刊14巻(2020年10月現在)